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美肌の味方ハトムギ

お茶・お粥・エキスで健康づくり

志田 信男 著 1995.02.25 発行
ISBN 4-89295-346-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


中国の将軍も用いていたハトムギ

美肌の味方ハトムギ

司馬遷の『史記』にも登場
中国ではかなり昔から、ハトムギが素晴しい健康食品として認められていたようです。前に述べたように、古くは『後漢書』(五世紀前半成立)の中の『馬援伝』に、馬援という名の将軍(伏波将軍)がこのハトムギを現地で愛用したおかげで、七〇を越す老齢にもかかわず、いまのベトナムあたりまでの遠征から恙なく帰還したといった記述があります。
また、司馬遷の『史記』(紀元前一世紀)にも、夏(中国の最古の王朝)の建国者である禹の母が、苡仁を愛飲して、禹を身篭ることができたとあります。もっともこの時代の以の正体は不明ですが、馬援によるいわゆる以(ハトムギ)の種植以前は、在来種のジュズダマを以と呼んでいたのか知れません。
このように、医学書ではなく、歴史書にも登場するほどハトムギは知られ、珍重されていたようです。

不老長寿の上薬に分類
もちろん、中国の医学書にもハトムギは登場しています。
二世紀か三世紀ごろに書かれた中国の最も古い医学書『神農本草経』では、苡仁は、上薬、中薬、下薬と分類されたうちの上薬に入れられています。
ちなみに上薬というのは、身体を快調にして、気を充溢させ、不老長寿に効果がある薬という意味です。病気を治すだけの薬ではなく、身体そのものを改善して、不老長寿につなげるという漢方の考え方が、この上中下のランクにあらわれています。
また、漢方の古典『本草綱目』では、その効能について、「脾を健にし、胃を益し、肺を補し、熱を消し、風を去り、湿に勝つ」とあります。
脾とは、脾臓のことではなく、胃腸や膵臓を指しています。また、肺も皮膚呼吸も含めた呼吸器全体を指します。
現代の漢方も、この『本草綱目』の効能にのっとって、消炎薬、利尿薬、鎮痛薬、排膿薬、強壮薬などとして他の生薬と組み合わせて用いています。
また今日では、コイクセノライドという抗腫瘍成分や各種ビタミン類、各種アミノ酸、パルミチン酸、コイクソール、トリテルペノイドなどの他の生理活性物質の存在も明らかになっています。


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