おいしいだけじゃない

紅茶はえらい!

精神安定・成人病撃退からダイエットまで

大森 正司 著 1992.10.16 発行
ISBN 4-89295-012-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


インフルエンザのウイルスを退治

紅茶はえらい!

インフルエンザ対策に朗報
風邪は万病の源。たかが風邪――と油断して放っておくと、病気を誘発することになりかねません。
そこで注目したいのが、紅茶の薬効です。紅茶には、風邪の大御所「インフルエンザ(流行性感冒)」のウイルスの活動・増殖を抑える働きがあることが確認されているのです。
ここでは、昭和大学医学部教授・島村忠勝教授らのグループが行なった実験を簡単に紹介しましょう。

ウイルスの感染力を弱める
インフルエルザの場合、ウイルスが人間の細胞に取りついて、互いに結合しながら細胞を乗っとっていきます。
実験ではまず、インフルエンザウイルスに紅茶液を混ぜて赤血球に付着させ、その反応を調べました。
赤血球は細胞の一種。通常ウイルスが感染すると、赤血球内でウイルスが増殖して細胞が破壊され、内部のヘモグロビンが溶け出してしまいます。
ところが、ウイルスに紅茶を加えたケースではそうしたヘモグロビンの流出はみられませんでした。
これは、紅茶中の成分がウイルスの感染力を抑え、赤血球の細胞が破壊されずにすんだことを表わします。

抗ウイルス作用を実証
実験では、インフルエンザウイルスに対する紅茶の作用を、さらに詳しく調べるために、イヌの腎臓の細胞を使って、

@ウイルスだけを加えた細胞。
A「ウイルス十紅茶液」を加えた細胞。

の2種類について比較実験しています。
その結果、@の細胞の大半はウイルスに感染し損傷を受けました。紅茶を混ぜたAのほうは、ウイルスの増殖が抑えられ、細胞の損失はほとんど見られません
でした。
ちなみに、実験に使われた紅茶は、通常わたしたちが飲用している紅茶を数十倍〜一千倍の濃度に薄めたもの。そのうち、130倍以下に薄められた紅茶液を加えた場合には、細胞の損傷はまったくなかったといいます。
つまり、通常の濃度の紅茶であれば、確かに抗ウイルス作用が期待できるというわけです。

ミルク抜きで飲むこと
この素晴らしい効果の秘密は、紅茶に含まれるカテキン類の一種で“”テアフラビンジガレート”と呼ばれる成分の働きにあります。
島村教授は実験の結果から、テアフラビンジガレートには、以下の有効性があることを明らかにしています。

@A型、B型などウイルスの種類に関係 なく有効に作用する。
A即効性がある。
B細胞にウイルスが感染してしまってもその増殖を抑制する。

ただし、紅茶にミルクを加えると、テアフラビンジガレートがミルクのたんぱく質と結びついて、抗ウイルス作用ぱ弱まるとのこと。

市販のうがい薬より強力!
さらに島村教授は、紅茶の抗ウイルス作用を、市販のうがい薬と比較実験しています。結果は、予測した以上に紅茶のほうがより有効であることが判明しました。
出がらしの紅茶で充分ですので、冬場は毎日外から帰ったら“通常の濃度の紅茶であれば、確かに抗ウイルス作用が期待できるをする習慣をつけたいものです。


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