
最近進んできたバナバの研究
バナバに関するデータが公表されたのは前項でみましたように、一九八六年のことで、ほんの十年くらい前のことです。
しかし、この発表がきっかけとなって、近年バナバの研究が進み、その成分や薬効が医学的な面からも立証されています。
現在では、糖尿病の病状を軽減する「バナバ茶」として知られ、多くの人に愛飲されるようになっています。
さて、バナバ茶とはどんなお茶なのか。それを説明することにしましょう。
日本名はオオバナサルスベリ
バナバは、サルスベリ属ミソハギ科の植物です。
学名はラジャーストロエーミア・スペシオーサといい、バナバは、タガログ語(フィリピンの公用語)の通称名です。
フィリピンなどの東南アジアの熱帯あるいは亜熱帯地方に広く分布し、日本ではオオバナサルスベリと呼ばれています。
この葉っぱを煎じた汁が「バナバ茶」と呼ばれるものです。
フィリピン産のバナバが最も良質
バナバの木は高さ五〜一〇メートルになり、年一回落葉します。葉は滑らかな長円形の卵型で、十二〜十五センチほどです。花びらは紫または藤色で、五月に咲き始め、長いものは数か月も咲いています。実は卵型のさやで、その中にひだのついた薄い褐色の種子が入っています。
フィリピン以外でもインド、タイ、マレーシア、インドネシアなどに自生していますが、中でもフィリピンでは鑑賞用の花として、ハイウェイに沿って栽培されている所が多いほど身近なもので、比較的管理が行き届いていて、良質のバナバ葉が生産されています。