
食物繊維、タンニンが豊富
バナバ葉には、どんな成分が含まれているのでしょうか。
バナバ葉の成分を表1に示しました。この表からわかりますように、「乾燥葉」では食物繊維が圧倒的に多く含まれ、ついでタンニンが多く含まれています。
タンニンは緑茶の成分としてよく知られ、広く植物に分布する多数のフェノール性水酸基を持つ複雑な構造の芳香族化合物の総称で、渋味の主成分となっています。
一方、煎じ汁を乾燥した「抽出粉末」では、食物繊維が減って、タンニンが著しく増え、ついで灰分も増えています。
成分の特徴をみてみましょう。
食物繊維もタンニンも物質を吸着保持する能力が強くて、物質の吸収を阻害あるいは遅延するといわれています。この性質がバナバ葉の煎じ汁の血糖値上昇抑制効果をもたらしていると考えられます。
アルカロイドやグルコシドも含む
以上の比較的多量に含まれている物質のほかに、微量ではあるがさまざまの生理活性を持つアルカロイドやグルコシドが含まれていることが知られています。
アルカロイドは、植物塩基ともいわれ、動物に対してさまざまな生理活性を示す物質です。お茶・コーヒーに含まれるカフェインや、タバコのニコチン、さらにモルヒネもアルカロイドの一種です。ニコチンのように体内で毒性を発揮する有害物質もある反面、鎮痛薬などとして医薬品などにもよく応用されています。
グルコシドは配糖体といわれ、グルコース(ブドウ糖)とアルコールまたはフェノールのOH基とエステル結合したもので、植物界に広く分布し、動物に対してさまざまな生理活性を示す物質です。
バナバ葉の熱水抽出物(ホット・ウオーター・エクストラクト=Hot Water Extract=HWEと呼称)の乾燥物は、淡い褐色の無定形の粉末で、香ばしいにおいがありますが、やや苦みもあります。
バナバ茶の抗糖尿病効果に注目が集まる
バナバ葉について、最近、臨床面で使用されるケースが増えてきました。
今、一番注目されているのは、血糖値低下作用、すなわち糖尿病に対する効果です。二〇%くらいのバナバ葉煎じ汁はインスリン注射に近い効果があるという報告がいくつか見られるようになりました。
※表省略